ハンセン病について考えよう

 10月1日(木),本年度第2回人権学習会を行いました。

 

 今回は,川薩保健所健康企画課疾病対策係の川上義和さんを講師にお招きし,「ハンセン病問題」をテーマにお話をしていただきました。

 

 ハンセン病問題が生じた歴史や「ハンセン病」患者や回復者,その家族の方々が受けた差別や偏見について知ることができました。

 DVD「心の壁をこえて」の映像で,ハンセン病回復者の方が語られる体験を聞き,その壮絶な差別,理不尽な差別,今も療養所での生活を余儀なくされている現実に胸が痛みました。

 

 ハンセン病は,ライ菌が起こす病気で感染力は非常に弱いこと,完治させるプロミンという特効薬も出てきて,強制隔離を続ける必要は全くなかったということも知りました。


 私たちは,ハンセン病であった方々の思いを知り,共に生きる社会の実現に向けてこの問題を風化させず,二度と同じ過ちを繰り返さないようにしなければなりません。


 【生徒の感想】

◆ぼくはハンセン病を知りませんでした。DVDで家族や友人からも離され,隔離施設で70年くらい生活をしてきたというハンセン病回復者の方の話を聞いて,どれだけ辛かったのだろうと思いました。

 今でも偽名を名乗り,家族に迷惑をかけないようにしているので,自分の本当の名前が言える日がくればいいと思います。家族がハンセン病だとわかっただけで,周りの人から恐れられたり,兄弟が職を失ったりするなど,ひどい差別や偏見があり,それが70年経った今でも続いていて,社会に出ても不安でいっぱいの人がいるので,自分も少しでも力になることがあったらしたいと思います。(1年男子)

 

◆私はハンセン病という言葉を聞いたことはありましたが,何の意味かも分かっていませんでした。今日の授業で,すごい偏見や差別があったことが分かりました。

 まず,一番びっくりしたことは,家族とも故郷とも別れないといけないということです。療養所行きの電車に乗ったときには母がいなかったとか,鹿児島の学校だと嘘をつかれて療養所に行かされたとか,(療養所に行きたくなくて)何年も山に隠れて暮らしたとか,何でだろうと思いました。

 家の周りを真っ白になるまで消毒され,そこまでして近づきたくないのかなと思いました。本人たちは元気なのに,インフルエンザより軽いのにと思うととても辛くなりました。

 「日本は平和だ。」と言われますが,病気の人を差別したり,偏見をもつ人たちを見て平和だと言ってもらえるのかな?と思いました。

 今の私たちができることを全力でやって,少しでもハンセン病回復者の方々に「帰りたい」思ってもらえるように頑張りたいです。(2年女子)


◆ハンセン病という言葉は聞いたことはありましたが,あまりよく知りませんでした。

 菌が体の中に入ることにより,顔や手足などの体の一部が変形したりする病気だということを知りました。

 国の政策として,ハンセン病は恐ろしい伝染病だと決めつけて感染患者の方々を隔離したことはいけないことだと思います。その政策により,人々の心に中に(ハンセン病)=(怖くて恐ろしい病気・うつる病気)という誤った知識がうえつけられました。

 そのことが,ハンセン病の方々への偏見や差別につながってしまいました。

 私たちがしなければならないことは,正しい知識をもつことだと思います。うつる可能性は極めて少ないし,ましてや同じ人間です。社会の人々もハンセン病についての正しい知識をもてば,ハンセン病の感染者や回復者の方々への対応も変わってくるのではないでしょうか。

 二度とこのような間違いを起こさないためも,今日学んだことを周りの方々へ伝えなければなりません。それが,今の私たちにできることなのかなと思います。

 今も,社会に出ようと思ってもハンセン病回復者の方々にはいろいろなことが妨げとなって,出られません。そのような方々について理解して受け入れることが大切だと思います。(3年女子)