南日本新聞の「若い目」のコーナーに薩摩中3年生男子の作品が掲載されました。
1年前に亡くなった祖母の隣に置かれていた帽子。祖母が勤めていた会社の帽子。その祖母が勤めていた会社に将来自分も勤めたい。そのためにこれからの勉強を頑張っていこうという強い気持ちが書かれています。
【平成28年5月23日掲載】
「祖母の思いを引き継ぐ」
(3年男子 M.Aさん)
祖母は優しく,明るい人だった。こっそり祖父にばれないように小遣いをくれたこともあった。僕はそんな祖母が大好きだった。もちろん小遣いをくれるからではなく,その優しい心づかいが好きだった。しかし,中学1年の冬に祖母は亡くなってしまった。
僕はひつぎに入っている祖母を見た。なぜか涙は出なかった。たぶん,状況がまだよく理解できなかったからだと思う。しかし,祖母の隣においてあった帽子を見たとき,なぜだか涙が出た。
祖母が働いていた会社の帽子だった。そのことを祖母が亡くなってから父に聞いた。僕はそのときなぜ泣いたかよくはわからないが,たぶん祖母の思いを引き継ぎたいと決心したからだと思う。
あれから1年たったが,今でも祖母の思いを引き継ぎたいという気持ちは変わらない。しかし,それをかなえるためには,これからの勉強をもっとがんばる必要がある。くじけずに祖母の思いを受け継ぎたい。