7月14日(木),南日本新聞の「若い目」に本年度5人目の投稿作品が掲載されました。
小学校の頃,よくけがをしてお世話になった養護教諭の先生への憧れ。そして,憧れは夢へ。中学3年生になった今,自分の夢の実現に向けた思いが,思い出とともに素直に書かれています。
【平成28年7月14日掲載】
「先生のおまじない」
(3年女子 M.Hさん)
「先生,転んじゃいました。」小学生がこちらへ走ってくる。私は「じゃあ,消毒しようか。」そう言って,手当てを始める。そんなことを想像していると,思わず顔がほころんでしまう。
夢は,養護教諭になることだ。なぜかというと,子どもが大好きなことと医療分野に関して興味があるからだ。なにより,小学生のときに保健室でお世話になった先生のようになりたい。先生の笑顔にたくさんの元気をもらった。
私は落ち着きがなく,3日に1度は転んだ。泣きながら保健室へ行くと,すぐに先生は消毒をしてくれた。「いたいの,いたいの,とんでいけ」とおまじないをかけてくれた。そのおまじないですぐに笑顔になれた。先生がキラキラ輝いて見えた。
将来の夢を先生に伝えたとき,先生は「Hちゃんは,自分で自分を治療しないとね」と言って,2人でおなかを抱えて笑った。やっぱり先生は,私を笑顔にしてくれる人だと思った。体の傷も心の傷も癒やす先生になりたい。